THE 経営塾

*このコーナーは

 

 作者まーちゃんの頭脳と

 

特定非営利活動法人薩摩Rock Club

 

中野理事長の経験を

 

合わせて作り上げた作品です。

 

~前書き~

 

皆さんはじめまして、私は障害福祉事業を運営する

 

特定非営利活動法人薩摩Rock Club理事長の中野研吾と申します。

 

弊社は、約10年前に私の友人が交通事故に遭い、

 

その友人を音楽で支援していた団体をNPO法人として立ち上げたのをきっかけに、現在に至ります。

 

その10年間で培ってきた経営のノウハウの一部を、公開することにしました。

 

その理由は、これから起業したい方々や現在経営されている方々に少しでも参考になり、社会貢献できればと思ったからです。

 

そこで経営塾という形で筆を執りました。

 

経営塾の本文に入る前に、私なりの会社経営像を述べておきたいと思います。

 

多種多様化する現代社会において、会社経営の答えを一つに絞ることは非常に難しいです。

 

答えがあるとすれば、それぞれの経営者がビジネスモデルを確立することではないでしょうか。

 

様々な価値観のビジネスモデルを、世の中の常識という物差しでは一律に測れません。

 

非常識な価値観を除けば、どれが正しくてどれが間違いと決めようがないということです。

 

そんな中、私が確立したビジネスモデルを結論から言いますと、「ドライブする」です。

 

まず、ドライブするには免許が必要です。

 

その免許というのは経営でいうと「経営に対する知識」と「人をうまく動かす人間力」です。

 

そのどちらかが欠けていても、成立しません。

 

実際の車の運転免許証は試験に合格することで得られますが、経営の免許証は自分の判断が合格基準です。

 

その合格基準は、「揺らぐことのない自信」です。

 

次にドライブするには車が必要です。

 

どんなデザインの車に乗りたいのか(経営でいうと業種)、

 

何人乗りの車に乗りたいのか(企業の規模)、その車はいくらするのか(初期投資)などを構想します。

 

私自身、最初は免許のいらない自転車で仲間たちと始めました。

 

こういう始め方もあります。

 

リターンも少ないですが、リスクもほとんどないです。

 

やっていくうちに気が付くと免許も取れて、ワゴン車くらい(中企業)の会社にまで発展しました。

 

それは、安全運転(手堅くマネジメント)したからです。

 

法定速度を越して(借り入れによる資金で事業拡張)いたら、事故(経営難)をしていた可能性もあったでしょう。

 

ドライバー(経営者)は、同乗者(従業員)の命(生活)を預かっていることを忘れてはいけません。

 

それから、さあドライブを始めようと思って車を走らせますが、街並みのように平坦な道ばかりではありません。

 

登り坂(社内のトラブル)もあれば、下り坂(利益の増加)もあり、

 

時にはオフロード(事業の不安定)もあるでしょう。人生においても同じことが言えるのではないでしょうか。

 

一通りドライブを楽しんだら、やめ時もあるはずです。

 

それは、会社にとっての安定期です。

 

振り返ってみれば長いようで短い10年間でしたが、

 

たくさんの仲間たちと困難を乗り越えてきました。

 

私も通ってきた道ですので、これから起業しようとする方々の気持ちはよく分かります。

 

失敗を恐れずに、ぜひチャレンジしてみて下さい。

 

これをもって前書きとさせていただきます。

 

 

 

 

~第1章~

◎福祉の資質について

 

.前提

 

この章は企業の物理的作業効率の側面ではなく、

 

福祉に従事する者としての精神的な心構えやスタンスを明記したものです。

 

全体像又は部分的にでも、福祉の運営やその他の業種の運営に貢献できればと思います。

 

 

.福祉とは

 

障害福祉事業は、日本標準産業分類の医療、福祉に含まれます。

 

それは正式な分類ですが、人を相手にするということに注目するとサービス業の色は強いです。

 

それは、小売業の「顧客」を障害福祉事業の「利用者」と捉えれば、

 

商品の流れはないものの、小売業の「接客」を

 

障害福祉事業の「利用者への対応」と言い換られるということです。

 

そう考えますと、福祉の世界でスタッフが利用者に対して傍若無人な対応をする者がいるとします。

 

小売業に置き換えますと、

 

コンビニの店員がお客様に対して高圧的な態度をすることが許されるでしょうか。

 

答えはもちろんNOです。     

 

逆にどのような対応がよいかを一言で表すとしたら、

 

「下手に出る」ではないでしょうか。

 

お客様目線や利用者目線で物事をみると居心地の良い所にいたいものです。

 

.福祉の資質とは

 

先に福祉の資質3大要素を述べますと、

 

「聞く耳をもつ」・「学習する」・「下手に出る」です。

 

 

 

◎「聞く耳をもつ」…企業が最高の社員教育を施しても、

 

その人が聞く耳を持っていなければ何の意味もありません。

 

有用な手段が1001000、あっても0なのです。

 

経営者の意向だけではなく、利用者や上司や同僚や部下の話にはどんな些細なことでも耳を傾けます。

 

それがコミュニケーションの第一歩であり、

 

人間関係は円満になり業務の行き違いを減らすことができます。

 

 

 

◎「学習する」…例えばあるスタッフが、人間関係のトラブルで悩み立ち止まっていたとします。

 

そのようなときに重要なアクションは、

 

原因を的確にとらえ反省してこれから同じ事を起こさないよう、未来につなげることです。

 

この一連の流れ全てを総合して、学習するという事です。

 

学習することにより、

 

これから起こりうる業務上の障壁を乗り越える参考になり、スムーズに業務を遂行することができます。

 

 

 

◎「下手に出る」…スタッフは少し身を引いて、利用者を立てます。

 

注意しなければならないのが距離を取り過ぎ、

 

ギスギスしてコミュニケーションを阻害してしまうことです。

 

乙武さんの言葉にあるように、「配慮はいるけれども遠慮はいらない」という事です。

 

程よい距離感で居心地の良い環境を作り上げることもスタッフの仕事の一環です。

 

 

 

.補足

・違う視点で学習するということ

 

「知行合一」という言葉があります。

 

知識は行動して使うことで初めて意味を成すという意味です。

 

知識を得て満足するのではなく、その学んだことを自分にとってどういう事なのか、どういう時に使うのかを考え、行うことまでが学習するということです。

 

・居心地の良い環境を作り上げるには

 

過剰にその場の雰囲気を読むという事は、一貫性が無いという事です。

 

逆に一貫性、つまり信念が強すぎるという事は、協調性が無いという事にもなります。

 

信念と協調性をTPOで使い分けることが重要です。

 

その人らしさを発揮する場面では信念を出し、集団行動をする場面では協調性を出すという事です。

 

優しさを持って接する事で雰囲気は良くなります。

 

例えば、何の問題もないことなら利用者が白いものを黒といえば黒と同調することです。

 

人の心をわかる心という教養は必須で、

 

計算式だけ見せて感情を論理で押さえつけては身も蓋もありません。

 

逆に感情を論理で解放してあげると利用者のストレスや悩み、

 

コンプレックスを緩和できるのではないでしょうか。

 

その際、利用者の心情を読み取り、

 

巧みな言い回しや言葉のチョイスをすることがポイントです。

 

 

 

 

~第2章~

◎企業における縦の統制

 

 

・経営者は必ず現場の内情を熟知した上で、ボトムアップとトップダウンを調整します。

 

 

 

・ある程度、従業員間の上下関係を作っておくと、うまく統制が図れます。

 

もしくは上下関係を薄くしたいのであれば、

 

明確な役割分担、責任の所在は必ず定めておくべきです。

 

業務上の二度手間の防止にも繋がります。

 

 

 

・立場が下だから言えない・言わないというのではなく、

 

発言する権利は皆等しくあるべきです。

 

 

・上役の特権は指示を出せることと、それ相応の給与をもらえることです。

 

その引き換えに責任はとります。下の従業員は最終的な責任はありませんが上役の指示に従います。

 

 

 

・正しい上下関係は均衡、すなわち組織のパワーバランスをもたらします。

 

 

・統制を図れないと組織混乱、強いては崩壊となります。

 

しかし見方を変えると、企業努力により統制の取れたいい会社になる余地があるということです。

 

一人の力ではどうにもならなくても、一人一人の意思と行動が合わさって初めて良い組織ができます。

 

 

 

・どこかで誰かが責任を取らなければ、苦痛を感じるのは立場の弱い人たちです。

 

立場の弱い人たちを守るのが、福祉の原点でもあります

 

 

 

・仕事で共同する機会が多いのに、

 

上下関係をうやむやにしてしまうと指示も重複して下の従業員が混乱してしまいます。

 

責任のなすりつけや責任のたらい回しになる恐れがあります。

 

 

 

・サービス管理責任者同士の場合は役職についていますが、ほとんど上下関係は必要ない場合です。

 

なぜなら、それぞれが違う空間で采配しているからです。

 

問題なのは、同じ空間でいることが多いのに上下がはっきりしていないことです。

 

 

・上役は人間関係をよく観察し、従業員の人間関係を調整する役目を果たします。

 

現実問題、人間関係では立場の上下関係なく、相性の合わないことは多々あります。

 

そういう時は、表面上のコミュニケーションまたは関係で構いません。

 

しかし仕事の話は、しっかりと私情を抜いてするようにします。

 

 

 

 

~第3章~

◎企業経営における横の統制

 

組織の管理体制、環境を最適にするためには、

 

「縦の統制」と「横の統制」がバランス良く作用していなければなりません。

 

どのように作用しているかによって、利用者が増減して企業の利益にも影響してくる場合もあります。

 

その二点は経営者がリーダーシップを務める上で、極めて重要な要素と言えます。

 

ここで言う「統制」とは、集団をコントロールする力のことです。

 

そして、「縦の統制」とは主に、

 

上役が打ち出す方針や指揮・命令、あるいは、評価や人事異動といった賞罰を含む形式的な統制です。

      

一方、「横の統制」とは、

 

その組織を構成しているメンバーの心理や意識によってもたらされる内部形式的な統制です。

 

障害福祉事業における「横の統制」の具体例は、

 

メンバーと利用者との関係を想像してみるとわかりやすいです。

 

メンバーの中で自分一人だけが多数の利用者と折り合いが上手くいっていないような場合、

 

どのような心理状態になるでしょうか。

 

おそらく、大方は

 

「自分を改善して利用者に歩み寄り、よい関係を構築しなければ」と焦るはずです。

 

このような心理を持つのは、

 

その組織において“福祉の基本ができないことは恥である”

 

という暗黙の合意が「横の統制」として機能しているからです。

 

また、これとは逆の例もあります。

 

メンバー全員が常に福祉の基本ができていない組織では、

 

大半のメンバーにとって“利用者に歩み寄らないことは恥ではない”ということが当たり前です。

 

ひどい場合には歩み寄るメンバーに対して、

 

他のメンバーが足を引っ張るような言動に及ぶことまで起こりうるでしょう。

 

 このような「横の統制」が働くことで、組織に影響します。

 

経営者は、「縦の統制」を強化しつつ、この「横の統制」に着目する必要があります。

 

「横の統制」は、誰かの指揮・命令によってもたらされるものではありません。

 

しかし、「横の統制」に大きな影響力を持つメンバーが存在しています。

 

基本となるのは、その組織を引っ張り上げるメンバーを育成することでしょう。

 

そのとき、育成対象とするのは経営者以外の組織を行く末を左右するキーマンです。

 

そのキーマンに焦点を当てれば、「横の統制」を成功に導きます。

 

「横の統制」のモデルは学校に例えると理解しやすいです。

 

政府が校長先生、法律が教頭先生で大きな枠組みと規律・秩序を構築し、

 

その範囲内に企業というクラスが存在するイメージになります。

 

クラスの生徒がメンバーであり、担任の先生が経営者です。

 

クラスの学級委員長は前述したメンバーでありつつ、「横の統制」に大きな影響力を持つキーマンです。

 

クラスを分別・整理する「班」というものがありますが、

 

その班の班長が事業所のサービス管理責任者です。

 

自分が学生だった頃を思い出してみて下さい。

 

先生と生徒には、明らかな縦の関係があったはずです。

 

学級委員長はクラスを仕切るときの命令・指示は縦の関係で、

 

メンバー皆で共有する集団意識である

 

「気さくなコミュニケーション」

 

「仕事に取り組む心構え」

 

「結束性」・「協調性」

 

「互いに影響を受け合う意見交換」という意味では横の関係です。

 

すなわち、経営者はメンバーとの関係では常に縦、

 

キーマンとの関係は場合によって横と縦の関係を使い分けます。

 

サービス管理責任者もキーマンと同じような特性を持っているといっていいでしょう。

 

「縦の統制」と「横の統制」という概念は、

 

矛盾すると思いがちですが、同時に実行するものではなく局所で使い分けるものです。

 

 

 

 

~第4章~

◎人材育成

 

1.技術編

 

・先人が環境を作ります。

 

まずは、謙虚にその場の環境を読んで馴染むようにしましょう。

 

 

 

・環境が人々を作ります。

 

良いシチュエーションは吸収して自分のものにして、

 

悪いシチュエーションには影響を受けない強い意思を持つようにします。

 

 

 

・与えられた環境の中で最善を尽くします。環境や他人のせいだけにしていては、何の進歩もありません。

 

自分が出来ることを考えて、方法を編み出すことでスキルや人格が形成されます。

 

 

 

・人に物事を説明するときは、分かりやく身近な例え話を入れたり、

 

言葉をかみ砕いたりすると効果的です。

 

10言って8分かる人もいれば2しか分からない人もいます。

 

ときとして、それ以上の15気づく人もいます。

 

 

 

・雰囲気が悪くなるので、職場の愚痴を職場でしないようにします。

 

家庭で家族の愚痴を言っているようなものです。

 

悩み相談や・ほうれん草(報告・連絡・相談)はするようにします。

 

 

 

・資格はなくても学は必須です。

 

資格がなくても経験と知識と知恵とアイデアで勝負です。

 

 

 

・計画的にやる人→合理主義→慎重派

 

まずはやることを優先する人→実践主義→大胆派 

 

この二つの要素から導き出されることは、あらかた計画を立てたら即実行に移すということです。

 

 

 

・仕事ができる人は整理整頓ができます。

 

 

 

・指導者は公正中立・人格者で、トラブルの対処や従業員指導は言葉を選んで柔らかく感情は冷静に行います。

 

 

 

・話は思いつきで支離滅裂ではなく、順序立てて理路整然と説明します。

 

 

 

・今日できることを、明日に伸ばさないようにします。

 

 

 

・利用者や従業員などの悩みの根本である心は目に見えません。

 

そういう時は表情やしぐさを見ながら会って話をするようにします。

 

 

 

・一般論に依存しないようにします。

 

一般論は自分の経験・想像にあてはめて参考にするといいでしょう。

 

 

 

・仕事が忙しくなってパニックになったら、

 

自分の思っていることを書きだして、

 

時系列・優先順位で整理して処理します。

 

 

 

・発言・表現には権利・自由もありますが、

 

義務・責任もあります。

 

自己的にならないように気を付けましょう。

 

 

 

・仕事の感覚→正確さ:スピード

 

慣れた仕事73

 

それなりに慣れた仕事82

 

はじめてやる仕事91

 

 

 

・インターネットで調べて仮想体験だけでもなく、

 

外に出て実体験だけでもなく、両方やると効果的です。

 

 

 

・知っていてミスするのと、

 

知らないでミスするのは大きな違いがあります。

 

人からミスを指摘されたら、その違いを意識しましょう。

 

 

 

・矛盾を感じたら、整合性を考えてみましょう。

 

 

 

・係り合いのある知識を関連づけて体系化すると、

 

知識の相乗効果が生まれます。

 

閃きも生まれます。

 

 

 

・何でそうなるのか、

 

そうするとどうなるのかが本当の勉強です。

 

 

 

・空間関係論とは、仕事場では上司と部下の関係であり、

 

プライベートでは友達でいいということです。

 

メリハリを付けましょう。

 

 

・教育、勉強、仕事は質を落とさず、できる人標準で行ないます。

 

その標準についていけない人はできるかぎりでいいです。

 

 

 

・利用者の普段とは違う身だしなみ

 

(ヒゲ・洗髪・爪・体臭・服装等)を観察して、精神状態を見ましょう。

 

身だしなみが整っていなければ、精神的に不安定とみる事ができます。

 

 

 

13個学習をすれば1年で約1000個、人に差を付けられます。

 

これはスキルの差別化です。

 

サービスや品質のように良いことは差別していいですが、

 

人格や考え方や心を差別してはいけません。

 

 

 

・相手の話を聞いた後の受け答えの第一声として

 

~というか、~でも、~だけど、という否定から始めるのでなく、

 

~それもありますし、~その気持ちもわかります、~そうですね

 

というような同調、同意、肯定の言葉から始めると建設的な話し合いができます。

 

 

 

・教育とは教え説くものではなく問いかけることです。

 

それにより、相手は思いを巡らせ身に付けることができます。

 

100人いれば100通りの答えがあるので、指導する側にも新しい発見があります。

 

 

 

・仕事上の人間関係の整理をするときは、

 

自分を中心にキーパーソンを8名ぐらいリストアップし

 

重要と感じたことを書き連ねていきます。

 

 

 

・社員教育の際、やんわりと言って分かる人に強く言っても誰も得をしません。

 

怠けたり故意にしたり、相手に悪意がある場合には、

 

少々強い言い方の指導も必要なのかもしれません。

 

 

 

・チームワークのチームの構成は、メンバーとリーダーに分かれます。

 

メンバーは同僚と認識していいですが、

 

リーダーは上から目線ではなく、

 

動いていただくという謙虚な気持ちで指示を出し責任も果たします。

 

 

 

・社員教育というと個人の意識やスキルを育成するというイメージがありますが、

 

集団意識であるチームワークを育成することも

 

社員教育としての要素という事を忘れてはいけません。

 

チームワークの育成は、指導者がそのチームにふさわしい共通意識を促すことです。

 

 

 

2.精神論編

 

・理由を考えてから話をすることは少ないです。

 

言葉にとらわれて、根に持たないようにしましょう。

 

 

 

・出来る人というのはこれまで仕事に対してどう取り組んできたかという結果です。

 

 

 

・やる前から諦めるのは良くないです。

 

やってダメだったら他の方法を考えてみましょう。

 

 

 

・シンプルイズベストとは、最初からシンプルにするのではなく、

 

あれこれやってみて、結果は意外にシンプルだったということです。

 

 

 

・やるだけでなく、考えているだけでなく、考えながらやりましょう。

 

 

 

・余裕のない時こそ正念場です。

 

 

 

・憶測で物事を決めつけないようにしましょう。

 

相手の話を聞いてから、自分の意見を通しましょう。

 

 

 

・物事がうまくいっている時ほど気を引き締めて、平常心を保ちます。

 

 

 

・出来ないことだからこそチャレンジする意義があります。

 

できることだけして満足せず、目標は高く持ちましょう。

 

 

 

・馴れ馴れしいことと、寛容なことは違います。

 

 

・言葉にできないもどかしい感情をどうにかして言葉にする習慣を身に付けましょう。

 

言葉にしないと相手には伝わりません。

 

 

 

・~たら、~れば、などの過ぎたことに囚われすぎないようにしましょう。

 

 

 

・正しいか間違いかは、結果が出てから分かるものです。

 

筋の通った内容であれば、自分も相手も正しいです。

 

何が正しいか一つに決めるから、矛盾や葛藤が生まれるものです。

 

 

 

・精神論では100%噛み合わないからこそ、

 

コミュニケーションが存在するものです。

 

コミュニケーションを大切にしましょう。

 

 

 

 

~第5章~

◎計画と稟議の重要性

 

会社経営について改めて考える出来事がありました。

 

それは社員数名で社内イベントの予行演習をしていて社内主催者が、ある従業員と衝突したことです。

 

この件の原因は社内主催者が口頭のみで計画を組んでいたことと、

 

そもそも上役の承諾を得ていなかったことでした。

 

イベントの実行者は内容を頭の中だけで整理するのは難しく、

 

複雑なビジネスの世界で計画書なしの実行は無謀としか言いようがありません。

 

完璧な計画書など存在しませんが、

 

予測できることは把握しておかなければトラブルの原因になります。

 

計画書は、事業名・内容・日時・担当者・経費・準備する物

 

人員リスト・役割分担・タイムスケジュール・最終責任者・その他留意点を明記するべきです。

 

そしてそれを上役へ稟議書として提出し、承諾を得て実行するのが正しい流れです。

 

組織が大きくなる過程で全ての摩擦を避けることは不可能です。

 

摩擦に臆することなく企業成長のチャンスとして捉え、

 

的確に原因解明をして効果的な解決策を施すべきです。

 

計画と稟議は、組織のリスク回避や人を正しく動かすために必須です。

 

 

 

 

~第6章~

◎問題的な企業体質(主な業務の差異による部門間の壁)

 

 

1. 障害福祉事業の主な業務内容

 

 

現場(利用者サポート中心の業務)

 

・利用者の見守り…利用者は安全か、体調は万全か。

 

・作業の手配と指導…作業の段取り・指示・指南。

 

・作業環境の管理…清掃、飲料の準備など。

 

・利用者とのコミュニケーション…相談、雑談、作業のアドバイスなど。

 

 

管理(事務処理中心の業務)

 

・相談業務…利用計画案の作成など。

 

・関係機関との連絡や調整…相談支援事業所との連携など。

 

・福祉サービスの提供や管理

 

・送迎車の管理

 

・利用契約書や作業日報の照合

 

・従業員のシフト作成、調整

 

 

2.部門間の問題点

 

・備品購入の判断基準の不一致…現場で必要な備品の購入を検討するが、

 

管理側のコストパフォーマンスの意向にそぐわないこと。

 

・利用者の特性認識の違い…常に接している現場の支援員と、

 

しばしば接する管理の支援員の利用者に対する感覚の違い。

 

・業務連携のタイミングの不一致…現場側と管理側の共同作業のタイムスケジュールが合致しないこと。

 

・部門間の情報交換不足…空間と動きの違いから接点がなく、

 

情報の共有がうまくできず業務に支障をきたすこと。

 

 

3.解決策

 

・現場と管理のパイプ役を設ける。

 

・現場トップと管理トップの綿密な業務の情報伝達・意見交換。

 

・全従業員間で重要な情報を共有するための社内会議。

 

・経営者による業務の標準化と軌道修正、社内情報の調整。

 

 

 

 

~第7章~

◎福祉の支援員にあるといい要素

 

 

・人に興味があり、話すことや聞くことが好き。

 

 

・単調な仕事より変化のある仕事に興味がある。

 

 

・レスポンスに自信がある。

 

 

・物事に執着せず、気にしない。

 

 

・あまりイライラすることがない。

 

 

・人の好き嫌いはあまりない。

 

 

・チームワークにやりがいを感じる。

 

 

・相手の立場になって考えられる。

 

 

・気力に自信がある。

 

 

・性格や考え方はどちらかというと感覚的。

 

 

・人見知りをせず、社交性がある。

 

 

 

 

~第8章~

◎企業の原動力と組織力

 

企業の原動力は人の心であり、

 

難しい経営理論でもなく影響力のある法律でもないと思います。

 

仕事は風邪を引いても普段通り、

 

苦手な人でも私情を挟まないというのが正論ですが、

 

それだけでは快く思わないのが人の心です。

 

人は正論を理解していても、

 

理屈と心のひずみにストレスを感じることが多いです。

 

ストレスを放置すると個々のモチベーションと

 

パフォーマンスが低下して業務の質が落ち、会社に悪影響を及ぼします。

 

会社が良い方向へ向かうためには、

 

全従業員が「人を想う心」を持って仕事に取り組むことが必要です。

 

「人を想う心」を持って仕事に取り組むとは

 

 

・心を通わせるコミュニケーションを大切にすること。

 

 

・ストレスがある従業員に対して、

 

話を聞く、アドバイスをする、思いやりの言葉を掛けるなどのメンタルケアをすること。

 

 

・上役は従業員にねぎらいの言葉をかけること。

 

 

・上役は頭ごなしに命令せず、

 

その人の状況や心境を汲み取ってから指示を出すこと。

 

 

・上役から指示を受けた従業員は、快く引き受けること。

 

 

・従業員一丸となり、謙虚で誠実に顧客と向き合うこと。

 

 

・自分の仕事の範囲を限定せず、余裕があるときにはグレーゾーンを設けて、

多忙な従業員のフォローやカバーなど、助け合いの精神を持つこと。

 

 

・誰の意見でも業務の改善案があれば、真摯に耳を傾けること。

 

 

・従業員や顧客の個人情報が外部に漏洩しないよう、徹底して管理すること。

 

 

・丁寧な言葉遣いをすること。

 

 

これらを心掛けて築き上げた信頼関係の輪が、企業の組織力です。

 

 

自社の方向性に迷いを感じたら、この原点に立ち戻ってみてはどうでしょうか?

 

 

 

 

~第9章~

◎成功している経営者の特徴

 

※成功している経営者の特徴を大きく二つに分けると

 

1.「叩き上げでバイタリティーのある経営者」と、

 

2.「資格を活かしたその分野に精通した経営者」です。

 

 

※何に時間を割いて経営の糧としたか?

 

1は実務の経験…仕事をやりながら覚える傾向にあり、

 

経験したことを感覚だけではなく理論にして裏付けています。

 

2は学問…知識を入れてから仕事に活かす傾向にあり、

 

体系化した知識を想像と経験で実務に活かしています。

 

 

※これから経営を志す人は

 

・自分が器用だと思うのなら1がいいでしょう。

 

・自分が何かに特化していて、

 

それを活かしたいのであれば2がいいでしょう。

 

 

※成功のための共通事項

 

 

・人事・接待・接遇…論理だけでなく感情も理解でき、

 

人の動かせ方や社交性が必要です。

 

 

・財務管理…お金が関係しない経営はないです。

 

いかに費用を最小限にとどめて収益の実現性を高めるかが重要になります。

 

最低限P/LB/Sとキャッシュフローは読めるようしておきましょう。

 

 

・リスクマネジメントの思考…何から何まで順風満帆な経営はないです。

 

リスクは起こってからでは遅いこともあるので、決めつけではなく予見しておくと軽減します。

 

 

・多角経営の懸念…軸となる業務が確立していないのに、

 

安易に他業種に人材投与や投資するのは危険です。

 

経営はギャンブルではありませんので、手堅くマネジメントすることが重要です。

 

 

・計画性…事業を起こす前にマーケティングをすることが必要です。

 

特に需要と供給の市場調査は重要です。

 

急速に変化するビジネスの世界で希薄なプランでは競争に勝てません。

 

 

・コンプライアンスの徹底…適正な納税や正確な財務諸表など、

 

経営の安定に法令遵守は欠かせません。

 

 

 

 

~第10章~

◎雇用契約の重要性

 

企業は見ず知らずの他人を雇うことが多いので

 

業種や業務内容をしっかり提示して同意の上、

 

書面にして雇用契約を交わすのが適当です。

 

日本の法律では口約束でも効力があるので要注意で、

 

契約と全く関連性の無い業務をさせられると話が違うと不信感を抱き、下手をしたら訴訟問題です。

 

従業員が友達や知人や家族であれば気が知れているので、

 

ある程度融通が利きます。

 

しかし、誰しも求人の業務内容と自分のやりたいことや、

 

得手不得手が合致するところで長く続けて働きたいというのが当たり前の感覚です。

 

それなのに何でもやりなさいという軍隊のような方針の会社だと

 

雇用契約の存在理由を真っ向から否定することになり、

 

従業員は長きにわたって勤めるのは困難です。

 

実際にあったことで、

 

経理で雇用契約を結び入社したら営業に回されたというような話を23人から聞きましたが、

 

口を揃えてブラック企業だと言っていました。

 

言うまでもありませんが、

 

ブラックのレッテルを貼られると会社のイメージがダウンします。

 

ブラックとレッテルを張られていい気分のする人はいませんし、

 

そう言われて何とも思わない会社はいい方向には向かわないでしょう。

 

雇用契約に無い新規事業を立ち上げて、

 

人事異動するときも本人の意向を汲み取って配置すると、

 

従業員は高いモチベーションで会社に貢献できるはずでしょう。

 

嫌々やらせてパフォーマンスが落ちたり、

 

辞めたりしては会社にとってマイナスでしかありません。

 

余談ですが、

 

離職率が高くハローワークに求人が頻繁に出ているところは、

 

求職者も警戒しています。

 

なぜなら、知人が就職活動していたときに職場環境が良くないから

 

定着率が悪く頻繁に求人が出るのでは?と感じていたからです。

 

企業にとって永年、高いモチベーションで貢献してくれる従業員が、

 

感情や個性の無いAIでは代わりの効かないマンパワーの特性です。

 

そのための入り口である雇用契約は慎重かつ丁寧に交わすに越したことは無いでしょう。

 

 

 

 

~第11章~

◎行き届いた管理とは

 

管理業務の労務管理や財務管理は法律や会社の方針に従い処理し、

 

人事管理であれば整理して配置・体系化するなどが適当です。

   

見落としがちの管理が、

 

社内の問題や疑問点や矛盾点や不条理をフラットにすることです。

 

それが明らかであれば対処の対象になりますが、

 

グレーゾーンの処置をどうするかが管理の是正に大きく影響してきます。

 

どうなるかわからないことを放っておいてもブラックになることはありますが、

 

まずホワイトにはなりません。 

 

グレーゾーンの処理の方法は支障がないことは放置、

 

不安要素は直ぐ様切り捨てる、改善する、穴埋めする、

 

代替えを施すなどを徹底してやることが行き届いた管理です。

 

 

 

 

~第12章~

◎サービスの差別化

 

ある小売業の会社が10年間で5倍以上売り上げを伸ばして急成長しました。

 

その大きな理由は、接客を徹底していることと、

 

キャッシュレス決済や消費増税の時代背景を逆手に取っていることです。

 

接客では、例えば会計の際「こちらお釣りの方○○○○円でございます」と言いますが、

 

「の方」は方角を表すものでお金に対して使う言葉ではないので

 

「こちらお釣り○○○円でございます」が正しい応対という教育を行っているそうです。

 

大概の人はそんなことまで気にしませんが、しないことをするのがサービスの差別化の定石ですし、

 

逆にそこまで気を遣ってもらうと恐縮を通り越して、すこぶる気分がいいものです。

 

他には防犯ブザーが誤作動しても慌てず「こちらの不手際で」とワンクッション入れて、

 

角が立たないようお客様の承諾を得てから会計の対処をしています。

 

気にする人は気にすると、配慮ある接客がその会社の売りです。

 

近年、二回の消費増税がありましたが

 

価格据え置きで商品の入れ替えなどで対応しているのも特徴です。

 

キャッシュレス決済の流行にも動じず一貫して現金値引きをしているのは、

 

おそらく人口の多くを占める高齢者がキャッシュレス決済に抵抗があるからでしょう。

 

サービスの差別化ポイントは誰もしないことをやることと、

 

誰にでもできることを誰にも負けないくらい徹底・継続してやることです。

 

そして、いいアイデアを思いついても仕組みに現実性が無ければ本末転倒なので、

 

自社の内部状況と社会情勢をうまくすり合わせて堅実な仕組みを作り上げることも重要です。

 

 

 

 

~第13章~

◎人の動かせ方

 

ビジネスにおける一般的な人の動かせ方は「根回し」と言われています。

 

しかし、これを多用しすぎる従業員を縛りストレスの原因になるので、

 

明確な目的がある場合だけに使うのが無難でしょう。

 

例えば、怠け癖がある従業員を正すために周りの従業員に注意喚起させる、

 

上役が指導するための情報提供をさせるような場合です。

 

それ以外の目的が無いような場合は、

 

「やる気にさせるコミュニケーション」で自発的に人を動かすといいでしょう。

 

それは上役が従業員に「あなたはこの会社に必要不可欠な人材だ」とか、

 

「あなたはできる人だ」と思わせるコミュニケーションのことです。

 

注意しなければならないのは、

 

本当にそれだけの評価ができる人にだけにすることです。

 

そして大げさではなく自然に、

 

その人の個性を的確に捉えて言われると心から納得します。

 

例えば、言葉数が少なく落ち着いた従業員に対して

 

「あなたのその冷静で感情のコントロールができるところはクレーム対応には欠かせない」とか、

 

いつも明るく社交的な従業員に対して「あなたの人当たりの良さが職場の雰囲気を良くしてくれる」

 

などのようなコミュニケーションです。

 

しかし裏を返せば、言葉数が少なく落ち着いた人は不愛想であることが多く、

 

明るく社交的な人は短絡的なことが多いです。

 

マイナス要素だけ取り出した人格者はそうはいません。

 

このように個性とはプラスとマイナスの表裏であることが多く、

 

悪い所を言い出してはキリがないのでコンプレックスや短所を逆手に取り、

 

強みにして社内の役割とすることが重要です。

 

人は自分のコンプレックスや短所が実は強みなのだと思えると、

 

その大きなギャップに自信をつけ、やる気を出すものではないでしょうか。

 

個性を認めるだけでなく

 

その人の功績や実績を称えるのもやる気にさせるコミュニケーションの一つです。

 

例えば「あなたがこの部署で、これをやってきた積み重ねがうちの会社の強みだ」というようなことです。

 

何から何まで思い通りに人を動かすことは不可能に近いですが、

 

「根回し」と「やる気にさせるコミュニケーション」を使い分けて人を動かせると、

 

企業は自然といい方向に向かうでしょう。

 

 

※やる気にさせるコミュニケーション図解

画像3.png

 

トップへ戻る