*このコーナーは
作者まーちゃんの頭脳と
特定非営利活動法人薩摩Rock Club
中野理事長の経験を
合わせて作り上げた作品です。
~第14章~
◎経営における勘
新規事業の構想や従業員の心理状態や
社会経済の先見などのつかみにくいものは
勘もうまく使うと良いでしょう。
勘というとギャンブルのようだと、
ビジネスの世界ではあてにできないと思われがちです。
しかし勘には二種類あり、
思考を働かせてからの勘と(計算勘)
と思いつきだけの純粋な勘があります。
根拠のある勘とない勘と言ってもいいでしょう。
短い時間で判断を要求される商談などで計算勘を使うと
リスクを抑えつつ成果をあげられる可能性が高まります。
一方、資金繰り、人事配置、業務の分配、労務管理などの
堅実な仕組みづくりは緻密に練り上げたほうがいいでしょう。
~第15章~
◎ビジネスプランの策定要素
※ビジネスプランの策定要素図解
・①~⑧の若い数字が多いほど決定とする。
・❶~❽の若い数字が多いほど中止とする。
大企業の企画部社員や中小企業の経営者が
斬新で前例の無いビジネスプランを考え出して実行に移そうとしたとき、
不安と期待が入り混じることが多いでしょう。
根拠のない期待だけして実行するのもリスクがありますし、
出遅れてライバル企業に先を越されるのもやり切れません。
そこでビジネスプラン策定の基準となる16要素を挙げ、
優先順で整理してみました。
これは飽くまでも私の見解であり、
人によっては優先の順番や要素自体も違うこともあるでしょう。
①と❶はプランのコンプライアンス、
倫理的に問題はないか、人のためになり社会貢献できるかなどで、
ありとあらゆるプランの根本になります。
②と❷はビジネスの目的は利益なので、
明らかに損をすることは手を出さずに収益を見込める算段が必要です。
アンケートやインターネットやSNSなどで情報収集して、
消費者のニーズに沿っているプランであるかということです。
③と❸は今の自社にタイムリーであるか、将来性があるか、
イメージアップになるかなどの必要性です。
④と❹はマーケティングをして情報を分析し、
おおよその需要の大きさを量ることです。
需要は小さいがアイデアで潜在的な需要を開拓できないかも考慮してみます。
⑤と❺は予想される収益が割に合わないとか
それなりの利益が見込めるとかおおよその収益の大きさでの判断です。
⑥と❻は動機付けで、取り組む構成員のモチベーションにつながります。
好きなことには情熱を持って懸命にその事業に励むものです。
⑦と❼は、プランの構成員のスキルとプランの内容が合致しているかです。
⑧と❽は、自社の業種とプランの相性で、
既存の設備で回せて生産性が良いとか、必要人材に余裕があるなどです。
① ❶~⑧❽を個別にチェックして最後に包括的に判断してみると、より良いでしょう。
~第16章~
◎売れる商品をつくる
安定して利益を上げている企業は、
市場や消費者の動向をおさえて売れる商品を提供できているからでしょう。
さらにその商品を定着させるためには、
現状に満足せず改良・改善して顧客満足度を高めていくことが重要になります。
私なりに売れている商品を分析してみたところ、
製品にプラスする付加価値にあるのではないかと気づきました。
その理由は一般的に同じ商品より、
付加価値で差別化した商品のほうが価値は高く、消費者がより満足するからです。
※付加価値の種類と内容
1.データ
・一旦商品が完成したら、
消費者にモニターやアンケートでダメ出しをしてもらい情報収集します。(①)
・その商品の購入年齢層・性別をおさえてマーケティングに反映させます。
・商品説明・紹介のために、その商品の機能、特徴、ウリをリストアップしておきます。
2アイデア(改良・改善・閃き・バリエーション・融合)
・①を整理集約して改良・改善した案と、
さらに閃いた案をまとめて再作製に反映させます。
・例:コーラは炭酸が無いのが当たり前、という時代がありました。
それに店員が間違えて炭酸を入れて、
試しに飲んだら美味しかったというのが現在のコーラの起源です。
現代はスタンダードなコーラにバリエーション(例:図1)
を加えて大衆心理をがっしりと掴んでいます。
・主に製造業や飲食業では、様々な食材と調味料を融合して新商品(例:図2)を開発しています。
※製造業や飲食業における様々な食材と調味料の融合(例:図2)
3.技術力
・今の技術力ならこれができる、
こうしたいけど出来ないからできるように研究することも必要です。
・いいアイデアがあっても、技術力が追いつかなければ新商品は実現しないです。
・現時点の技術から次点の商品をある程度予見できます。
・こうしたから、こう出来たから何?
(際立つ利点・特徴がない)というものは中々売れないです。
・技術革新による既存品と機能の組み合わせが連鎖しています。
(例:図3)
・売れている商品に似通った商品を作るのなら、
技術力で製造原価を抑えれば販売価格も下がり結果、売り上げ増大につながります。
(類似商品薄利多売)
※技術革新による既存品と機能の組み合わせ連鎖(例:図3)
~第17章~
◎仕事とは
・仕事とは人間らしい文化的な生活や生き方の多様性を支えることと、
生きていくために必要なライフラインを提供するためにあります。
・人のためになる行為は、仕事と言っていいでしょう。
給料が発生しなくても、育児やボランティアも立派な仕事です。
・同じ所に住んで、同じものを食べて、
同じ服を着て、生活を画一化すると仕事はほぼ必要なくなります。
・現代社会では文化的な暮らしするためには複雑かつ高度な文明の力が必要で、
原始的な生活のように画一化はできません。
・人と自分のために仕事をしていけば、
それが連鎖して皆が幸福になり、
それに貢献している一員だと誇りに思えると人生に張りが出てきます。
・仕事は義務という捉え方が一般的ですが、
私は自分と他人と社会を豊かにする権利でもあると思います。
仕事をしたくなければ、人に迷惑を掛けないよう自給自足の生活も選択肢の一つです。
・なぜ水道局があるのか?なぜ焼肉屋があるのか?そして自分の会社があるのか?
それぞれの価値観で紐解き、前向きな考え方を持って仕事に取り組むと人生は潤うでしょう。
・高い役職や社会的地位を目指して仕事は趣味、趣味は仕事という志も素晴らしいです。
・言うまでもありませんが、懸命に働いて自分で稼いだお金は自由に使う事ができます。
社会は義務と責任を果たせば権利と自由が与えられます。
・仕事の価値観が、上記のような正論だけでは息苦しく生活するために仕方なく仕事をしている人もいるでしょう。
そうであればたくさん趣味を見つけ、楽しく生きる為に仕事をして稼ぐという価値観もあっていいと思います。
・以上を企業内では経営者がリーダーとなり、仕事をすることの意味を啓発して団結することが経営の理想でもあります。
~第18章~
◎対極の経営視点
日本の昭和世代は、仕事は怒られて根性でやるもの、
与えられた仕事は何でもやります、上司のお酒のお供は必ず受けて腹を割って話します、
忘年会などの社内行事には必ず参加しますという感覚が当たり前です。
しかし、その感覚は今の若者たちには通用しなくなってきています。
それは明治維新の歴史に代表されるように、
時代とともに世代の感覚が変化するからでしょう。
そのような変化を受け入れようとせず、
自分(経営者)中心に企業があり社会を開拓していると思い込むのは良くありません。
なぜならば、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏のように
社会に大きく影響を与えることもありますが、
政治や法律などの経営だけでは動かせない部分もあるからです。
そこで、時世の多種多様なニーズに標準を合わせて、
企業という枠内の従業員を経営者が導くという対極の視点も必要になります。
そのためには新しい情報(流行など)をいち早くおさえること、
若者の感性を分析すること、世の先や潜在的な市場を見出す鋭い着眼点、
経営者のリーダーシップと謙虚な姿勢などがキーポイントになるでしょう。
~第19章~
◎資金管理テクニックと従業員への処遇
この章では現金預金と利益余剰金の管理テクニック、
それに付随する従業員への処遇を理論展開していきます。
そもそもお金は線引き出来ないので、
勘定を設けて意図して線引きするのが資金管理の基本です。
※現金・預金の用途区別と利益余剰金の捉え方は、
1.経費などの現金コマ遣いは社内の金庫に収めておく=「少額消費現金」
2.企業の成果かつ、リスク回避の最終手段=「利益余剰金」
3.1と2の間に位置するクッション、プール、
保険、補てんの目的、手形や小切手の振出し、送金の用途=「中間予備預金」
健全な管理会計を遂行するには、1と3の範囲内で経費をやり繰りして、
決算まで維持するという算段です。
高額の長期借入や損失決算の危機回避の最終手段が2という概念です。
①経営者が2と3に余裕があると判断したなら、
寸志程度でもボーナスに当てる、
日帰り旅行や食事会や茶菓提供などの福利厚生に当てて還元すると
従業員のメンタルヘルスの効果あります。
②2しか余裕が無いのであれば、
リフレッシュ休暇として長期休暇を与えるのも
同じメンタルヘルスの効果が得られます。
①か②どちらか必要で、
理想としては両方、どちらもないのは過酷です。
仕事ばかりで気が休まなければ、
思うようなパフォーマンスは出せず会社への貢献は難しいです。
会社への貢献意欲のポイントは、
長期休暇の解放感や物資を授かる満足感などのメンタルヘルスです。
永年、企業を安定させるためには、
財テクと従業員のメンタルヘルスを絡めて経営することが重要になります。
~第20章~
◎自己研鑽と才能
知識プラス思考で知恵ですが、これは正確に言うと机上の知恵です。
体験プラス思考が経験上の知恵です。
年月をかけてこの2つの知恵を練磨すると熟練します。
管理職に熟練は不可欠な要素の一つです。
言い換えると、仕事が出来る人には熟練が共通しているはずです。
経営者はその上にリーダーシップに不可欠な先を読む想像力と
組織をまとめるために不可欠な人の個性と相性を見抜く洞察力も必要です。
想像力を鍛えるには常に人とは違う視点で物事を考えます。
あまのじゃくではなくて、人の言動や思考を元に広げ仮想する、
何かを行うためのヒントにするために本を読んで知識の幅を広げておくことなども必要です。
洞察力を鍛えるにはいつもとは違う人の言動を察知するアンテナを張ることです。
この想像力と洞察力、
元々持っていることは稀で基本的に鍛えないと出来ないはずです。
常人とできる人の違いは物事を考えながら実行して、
結果をしっかり反省する自己研鑽につきます。
私は誰しも何かしら「人より出来ること=才能」を持っていると思います。
才能の基準は主観と客観や程度の問題で一概には言えませんが、
偏差値で言うと50、おおよそ平均を越えていれば才能としていいと思います。
なぜなら「平均=当たり前」を越えているのですから。
自己研鑽と才能の相乗効果で人は無限の可能性を発揮します。
~第21章~
◎効果的なホウレンソウ
「報告」「連絡」「相談」略してホウレンソウ、
何気なくしていませんか?
この3つに共通するコツを紹介したいと思います。
結論から言うと、シンプルに何の話をするか大筋を立てて、
最後にはっきりと伝えたいことを話します。
時間を急ぐのなら倒置法で伝えたいことだけ先に言って、
あとの説明は簡略にする又は全くしないのも方法の一つです。
話を受ける側は、何の話をしているか気を回して、
結論までしっかり聞きます。日本語は言いたいことが、末尾に来るので要注意です。
言いたいことが理解できなければ、
つまりどういうことですか?と引き出します。
誤解のない効果的なホウレン草で、
仕事の段取りをより良くしましょう。
~第22章~
◎業務の効率化
業務の効率化とは、
業務をまっとうに一通りやってきた人が時間短縮の為にするものです。
経験の足りない人が、
要領良く近道するものではないです。
やることを肌でわかっていて省略するのと、
中身を知らなくて近道するのは仕事の重みが全然違います。
急がば回れで、遠回りしてやるぐらい丁寧に業務をこなすことが経験につながります。
かといって、やらなくていいことまでやるということではありません。
例えば、掃除をしていて、ここがこれだけ汚れていました、
などと報告しても何の効果もないことです。
一見すると響きのいい、業務の効率化。
しっかり経験値を積んで、
場合に応じてやることを今一度、立ち止まって振り返ってみて下さい。